銀河鉄道の夜
蠍(さそり)の火
井戸のさそり

井戸の底で溺れてしまって
もうどうあがいても助からないとき
蠍(さそり)はこうお祈りしました

わたしはいままで
いくつもの命をとったかわからない
なのにどうしてわたしは
からだをいたちにくれてやらなかったのだろう
そしたらいたちも一日生きのびたろうに

神さま、どうかこの次は
まことのみんなの幸いのために
私のからだをおつかい下さい..

するといつか蠍は自分のからだが
赤く燃える火になって
夜の闇を照らしているのをみたのです

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